保育園での最後の年はあっという間に過ぎていった。
秋ごろには小学校入学準備も本格的になり、就学前健診なども行われた。
就学前健診では右耳の聴力を指摘された。
でも「聞こえない」と自分で主張できたことの方が母は驚いた(笑)
小学校との面談、やりとりの中で支援学級か通常学級か悩んでいた。
でも小学校に見学に連れて行って答えはすぐに出た。
きっとみいは通常学級の中でたくさんお友達に囲まれて過ごした方が、楽しく過ごせるだろうと思った。
もちろん、支援学級では手厚く見てもらえる利点はあるかもしれないけど、みいにとって重要なのはそこではない気がしていた。
もちろん、みいの意見も聞いた…答えは通常学級だった。
そんな感じで小学校入学準備を進めながら病院への通院も続いていた。
その時その時で先生の見解も少し変わったり迷ったりされることはあったが、基本的には現在に至るまで経過観察中である。
ただ一つだけ覚悟しておかないといけないことがあって、そのことを告げられたのがこの時期だった。
腫瘍は数ミリ単位で少しづつ大きくはなっていて、このまま大きくなり続けて気道を圧迫した場合、気管切開が必要だと言われた。
目安としては全身麻酔の管が通る間にやらないといけないとのこと。
『気管切開』
すごくショックだった。
今でも受け入れたくなくて、できればずっとしなくていいならそうしたい。
日常生活が大きく変わってしまう。
何より、今みいは場面緘黙症の症状はほぼなくなっているのだが、気管切開をすることでせっかく出せるようになった声を奪われてしまうことになる。
そんなことは想像したくもない、これが今の私の本音。
我が子のためならいくらでも自分の生活なんか犠牲にできる。
でも我が子がつらいのは耐えられない。
それでも…乗り越えないといけない日が来るのかな…
まだ覚悟はできていないかもしれない…
聴力は詳しい検査をしたところ、小学校入学前は右耳は全く聞こえていないと言われていた。
でもその後の再検査では少し聞こえている反応が出たし、実際の本人を見ていると聞こえているんだと思う。
Yo1ko2を一緒に聴く時にイヤフォンをうっかり右耳にしてしまうことがあり(笑)それでも聞こえていたので、それは聞こえているのだろう…
どれくらい聞こえているのかはもう本人にしかわからないな。
保育園最後の年末年始に東京から来た従姉妹や近所のお友達と楽しく遊んだみい。
それが刺激になったのかはわからないけど、年明けに大きな変化があった。
年が明けて最初の言語療法の日。
お正月休みの余韻だったのかな、最初からハイテンションだった。
不明瞭ではあったけど、先生の前で初めて言葉が出た!!
我慢できずについつい先生にもしゃべっている感じだったが、最後の方は普通に話せるようになっていた。
その日から、言語・作業療法の時は話せるようになった。
安心して話せる環境が一つ増えたということ。
すごくすごく嬉しかった。
振り返ると、すごく楽しいことやすごく面白いことがあった時にそれを伝えたくて、さらにハイテンションな気分が後押しして、いい方向にいったのかもしれないなと思う。
そのすぐ後ぐらいに保育園でも特定のお友達と話をすることが続いた。
まだまだ少ない回数ではあったけど言葉が出る場面が増えて、親としてみいが少しづつ自分自身の力で前へ進んでることを感じていた。
そして卒園式。
みんなの前で思い出や将来の夢を発表しないといけない場面があった。
先生方とたくさん話していろいろ考えた。
たぶん最初は先生に代読してもらう方向で考えていたような気がする。
でも言語聴覚士の先生が録音して流してみては?と提案してくださって、みいに聞いたら家で録音したものをみんなに聞かれるのは嫌じゃないと答えた。
保育園の先生とも相談してやってみることにした。
ボイスレコーダーにみいの言葉を入れて、先生に渡して後はお願いした。
結果、すごくよかった。
練習の時から何よりみいが一番嬉しそうだった。
それを聞いているお友達も先生もすごく喜んでくれた。
本番で聞いた時、私は号泣してしまった…
ビデオを観た私の母もまた号泣(笑)
ちなみにお遊戯会の時は上手に口パクだった(笑)
それでも人前で堂々と劇をしたり、踊ったり、演奏したり…もうそれだけで満点だった。
こうしてみいは保育園を無事に卒園した。
そして親の私も一緒に長年お世話になった職場にお別れした。(ひどい体調不良が続き…涙)
たくさんの成長を見せてくれたこと、本当に嬉しかったし幸せだったな。
みいの親にならないとわからなかった、知らなかったこともたくさんあって、とても大切な日々を過ごしたと思っている。(これは今もだけどね)
保育園最後の日、車の中でずっと聴いていた曲がある。
【ひまわりの約束】【3月9日】
この日の行き帰りのことはなんだかすごくよく覚えている。
Yo1ko2カバーを置いておこう。
To be continued…